【2015年参加】 香川大学 工学部 H.Yさん

(機械系インターンシップ)

今回のインターンシップを受けるに当たり、初めは与えられた作業を失敗せず正確にこなせるか、工場の雰囲気はどうなのか、などの不安が多くありました。しかし、実際に現場に来てみると工場の人は忙しい中、快く歓迎してくださり作業内容なども丁寧に教えてくださって、すぐにその不安は解けました。暫くすると、他にインターンシップに来ている大学生や高専生などともすぐに打ち解け合う事ができ、とても充実した10日間を送ることができました。
初日は工具の基本的な使い方について教わり、2日目からは実際に現場に配属になりました。自分達機械系が行った工場での実習内容は、普段自分達が利用している鉄道車両がどのような仕組みで動いているのか、また鉄道の部品の解体、修理、組み立ての行程の見学、実習でした。私たちは合計が9人で3人ずつ3グループに分かれ、3つの部署(解擬装、電気、台車)をローテーションし見学、実習を行いました。解擬装組とは、全体検査の為に入場してきた車両の分解作業、または検査を終えた車両の組み立て作業を行うグループです。この解艤装は更に2つの班に分かれており、コック・配管などの細かい作業を専門に行う班とエンジン、ラジエーター、車両本体などの大きなものを取り扱う班に分かれています。この後者の組は作業員同士の息が合ってないと作業を行うことができず、そのチームワークの強さは驚くべきものでとても感動し、見習うべきだと感じました。電気組は鉄道車両に設置してあるATS、速度計、圧力計などの様々な機器を修理、点検する場所で、ここではドアの開閉や洗面台の蛇口から出る水の制御、ワイパー、ブレーキに至るまで鉄道を営業運転させるのに欠かすことができないほぼすべての機器は空気圧で動いているということを学びました。ここも更に計器班、車両班の2つの班に分かれていましたが、残念ながら時間の関係で自分は速度計、圧力計などの点検、整備をする計器班の見学を行う事ができませんでした。自分が最後に配属になった台車組は、車両本体を支える重要な『台車』を取り扱う場所であり、車輪の磁気探傷、超音波探傷、切削を行う班、台車を点解体、検査、組み立を行う班、軸受けの検査をする班の3つの班に分かれていました。自分は最後の2日間、台車の検査を行う班に配属され、割ピンの挿入・固定作業や軸受け下のナット締めの作業を行いました。 JR四国の特急列車は、一部を除きほぼすべての列車に振り子式台車が使われており、乗り心地の向上や走行性能の安定が図られている事を知り感心しました。ここでは工場の隣にある四国鉄道機械さんの新入社員の人とも親しくなり、普段四国鉄道機械さんがどんな作業を行っているかも伺う事ができました。
このインターンシップを通して学んだことは鉄道に関する専門的な知識だけではありませんでした。現場で自分が実際に働いていて何に苦労するか、何を意識して日々仕事に取り組んでいるのか、あるいは社会に出るにあたり、何を準備しなければならないのかなどについてなど、とても貴重なお話を伺う事ができました。
初めは不安だったインターンシップですが、この10日間は自分にとって、とても意義のあるものになったと思います。JR四国本社、多度津工場の方々には心から感謝しています。