【2016年参加】 香川大学 経済学部 I.Aさん

市民政策局 交通政策課

私は夏の長期休みの期間中、五日間にわたり高松市役所交通政策課にてインターンシップに参加させていただきました。交通政策課を選んだ理由は、地域に貢献したいという思いを持っており、それに対して交通の方面からアプローチするという職務内容に興味をもったためです。交通政策課は計画係と総務係に分かれており、計画係は公共交通を便利にして多くの市民に利用してもらうことを目指す事業で、総務係は維持の観点から公共交通にアプローチし、また航空路線についての政策を行う事業です。どちらも地域を活性化という方向に向かわせており、交通政策課全体として、人が住みやすい町にすることを目指しています。私は五日間、交通政策課のさまざまな職員の方に業務内容のレクチャーや意見交換のお話合いをさせていただき、また事務助手としてのお仕事、実際の会議の見学体験等を行わせていただきました。

一日目は交通政策課についての全体概要の説明、計画係と総務係それぞれの業務内容のレクチャーを受け、事務仕事として議会の会員の方々に配布する資料のホッチキス止め等を行わせていただきました。レクチャーの中で高松市の目指す街の姿を知り、それを実現するための具体的な交通政策について、その方法を選択した根拠、考え方に及ぶことまでより深く知識を身に着けることが出来ました。またその際、どの職員の方も仕事に対してやりがいを感じており、活気をもって取り組んでいると感じました。

二日目は現場視察として交通政策の実施されている場所を訪れ、その場で実物を見ながら具体的政策を説明していただきました。実際にその地域の課題や問題点等について、実物を目にしながらの学習は、とても大きな学びとなりました。また、県や市、その他多くの企業が実施するイベントに向けた会議を見学させていただきました。会議中での意見交換の話し合いをみて、外部の方との付き合いや社会におけるコミュニケーション能力の重要性を肌に感じました。三日目は事務仕事として、議会の議員の方に送付する文章のパソコンでの打ち込みの作業をこなしました。私が行ったものは長い文章ではなかったですが、この事務仕事を通じて作業の迅速さと正確さの両方の能力が求められると感じました。また交通政策課以外の業務ということで、産業振興課、観光交通課の職務についての意見交換の場を設けていただきました。違う課のお話しでは、それぞれの違い、共通点を比べつつ聞くことで、より広く深い知識を身に着けることが出来ました。

四日目は、職員の方同士の意見交換として議論を行っている場を見学させていただきました。それぞれが意見を出し、考えを述べる議論では、全体で協力して行うことの大切さを学びました。このような話し合いの場合、多様な意見はとても重要で、相手の意見を理解しようとすることはとても大切なようです。積極的に自分の考えを述べる能力が必要なので、私も身につけるように意識しようと思いました。それぞれ違う立場であるので、完全な意見の統一は難易度の高い問題ですが、どの職員の方からも自分の担当する職務に対する熱意を感じました。その他では、この日も交通政策課以外の課について説明していただきました。まちづくり企画課、政策課、地域コミュニティ推進課と市民活動課です。どの業務も、現在の社会の問題点である人口減少について解決しようとするという点で同じベクトルを向いているという印象でした。なかでもまちづくり企画課の業務は、交通政策課の業務と密接であると感じ、コミュニティ形成についてのお話しは私が最も興味のあるお話しでした。

五日目は長寿福祉部介護保険課の方から福祉についてのお話しをしていただきました。福祉は、市民の方々と特に密接に関わってくる業務であるのでとても重要な職務で興味を持ちました。その後、地域のコミュニティーセンターの方とバス事業に関するお話合いということで、同行させていただきました。地域の方と行政が共に協力して町を良くしようという姿勢、細かな話し合いの繰り返しの重要性を感じ、また交渉の際の信頼関係の重要性を実感しました。そしてこの日の午後、最後の研修として現場視察を行いました。向かったのは、将来に交通整理して交通の結節点にしたいと考えている駅でした。これまでの研修で多くの知識を入れていただいたことにより、まだ交通整理されていない駅から自分で問題点、課題点等を見つけることができました。これまでのさまざまな説明や経験は自分に身に付き、格段とレベルアップできたと感じました。
この五日間のインターンシップを通じて多くのことを学びました。特に、交通政策課の業務については大変詳しい細部まで学べました。政策の進め方、問題点等の説明をしていただき、最も重要だと感じたのは周囲に対する説明能力、つまりコミュニケーション能力の重要性でした。会議を見学したときも、職員の方の議論の中でもこのことの重要性を感じました。交通政策課を軸にお話しすると、行政という立場上、交通政策をする際には必ず根拠が必要です。そしてその根拠をどのような立場の方にも納得してもらえるように説明できなければなりません。政策の際、行政と事業者は協力する必要があり、多くの人を巻き込み協力的になってもらうことが望ましいからです。この能力は、公務員のどの業種であっても必要であるし、また社会一般においても重要な能力です。研修期間中、私は意見交換をしようと、たくさんコミュニケーションをとることを心がけました。またこれはこれからの大学生活においても積極的に取り組もうと思ったところでした。また、研修では常にたくさんの質問をさせていただき、そのすべてに詳しくお答えしていただきました。わからないところは些細なことでも直ぐに聞き、その場で疑問を解決しました。そのため自分の知りたい細部の細かなことまで知ることが出来ました。コミュニケーションの際もそうですが、多くの知識を身につけていることは非常に重要だと感じました。この五日間で教えていただいた知識、姿勢などはこれから社会に出ていく身としてとても参考になるものでした。大学生活、就職活動においても役立てていきます。

最後になりましたが、お忙しい中、インターンシップ受け入れ先として貴重な機会を与えてくださった高松市役所、また私を実習生として受け入れて下さり、多くの経験をさせてくださった交通政策課の皆様には心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございました。