【2016年参加】 香川大学 工学部 O.Mさん

(生産技術部門にて実施)

私は今回のインターンシップで、株式会社マキタさんにお世話になりました。マキタさんは船舶用のディーゼルエンジンを製造している会社で、小型船舶用エンジンでは世界トップシェアを誇っています。
実習初日では、普段からマキタさんのエンジンを搭載している、お隣の四国ドックさんの船の外組が完成したということで、進水式を観に行きました。水に浸かる前の船はとても巨大で、海に浮かぶ瞬間の迫力には圧倒されました。この大きな船を動かせるエンジンはどのような仕組みになっているのだろうかと疑問に思いました。午後からは、コンプライアンス講習をしました。やはり、SNSが流通してきた現在、会社や顧客の情報を守ることは最も注意しなければならないことであり、社員の意識も大切なことだと思いました。その後は、実際にエンジンが造られている工場に見学に行きました。エンジンは非常に多種多様な部品が組み立てられてできており、綺麗な曲面を持つ金属部品や巨大で精巧な部品もあり、その規模の大きさに驚かされました。
翌日からは、CADの使い方を社員の方に教わり、ディーゼルエンジンの部品であるキャップの工場内での通箱を図面にて作成するという課題を与えられました。通箱とは、部品製造現場から組み立て現場に運ぶときに部品を載せる箱のようなものです。最初、箱と聞いて簡単な課題のように感じましたが、実際に設計してみると、安全性や機能面から様々な問題が浮上しました。フォークリフトが正しい位置に入るようなガイドを設けようと、箱の底面にアングルを設置したのですが、アングルを下からリフトで持ち上げてしまう恐れがある点から、アングルをチェンネルに代えて位置をずらして対応しました。他にも、クレーンで吊るせるためにワイヤーを通すアイプレートを四カ所に設置しようとしましたが、現場の方からワイヤーの規格に制約が生じてしまうためアイプレートを用いないでほしいというご指摘を頂きましたので、通箱の外枠をそのまま持ち上げる造りにして、ワイヤーが傷付かないように、パイプを設置しました。そして、インターンシップ最終日には、考案した図面を社員方の前でプレゼンしました。会社の会議室でのプレゼンは授業とは違い、とても緊張しました。ハキハキと明快に聞いている人の方を向くという点を意識して、プレゼンをやり遂げ、インターンシップを終えました。
インターンシップに行く前はCADを使ったことのない点が一番不安でしたが、社員の方が丁寧に指導の時間を割いて頂き、インターンシップの最後にはCADを使いこなし、図面を考えて描けるまでになりました。社会人としての二週間を経験し、付きっ切りで面倒を見ていただいた先輩も私とあまり年が違わず、もうあと数年でこのような主体性のある社会人に慣れるのか少し不安に思いました。しかし、あと一年半後に自分の成長しなければいけない幅を確認できて、とても中身のある、意味のあったインターンシップだったと思います。