【2017年参加】 香川大学 農学部 K.Nさん

私は動物が好きです。幼少期に住んでいた家の近くに牧場があり、幼い頃から牛は、わたしにとって身近な存在でした。今回、食べ物としての動物ができる背景にはたくさんの人が関わっていること、普段何気なく食べているものはすべて大切な命であることを自分の目で見て体験したいと考え、広野牧場のインターンシップに参加しました。
今回のインターンシップでは宿泊施設を利用しました。実家暮らしのわたしにとって心配事の一つでしたが、他のインターン生と意見を交換することができ、協力して生活することで協調性も身についたと思います。
インターンシップでは、大きく分けて、仔牛の世話、乳牛の搾乳の2つの内容に取り組みました。牧場の朝は早く、仔牛の世話は6時から、搾乳は5時から始まるため、普段寝ている時間に起きなければならず、慣れるまで大変でした。わたしは、まず4日間仔牛の世話を行いました。仔牛の世話では、哺乳が一番印象に残っています。初日、産まれたての仔牛には哺乳瓶でミルクをあげていましたが、4日目にはバケツでミルクをあげることになり、近くで仔牛の成長を実感することが出来ました。最終日は搾乳を行いました。搾乳は、ただ牛乳を搾ればよいというものではなく、きちんと行わないと牛が病気になったり、命を失ってしまったりすることもあります。極めてデリケートな作業で、とても緊張しました。牛に不快感をあたえず、手早く、衛生的に搾乳することが大切であると学びました。どちらの作業も決して楽なものではなく、夏の暑さに倒れそうな時もありました。しかし、しんどいのは牛も同じ。牛とは言葉は通じませんが、だからこそ牛の気持ちになって考える必要があると感じました。
作業以外では、講演会、夜ご飯に連れて行っていただけました。講演会は輝くアグリレディ交流セミナーとのことで、農業に取り組む多くの女性が参加しており、グループワークでは、一緒に意見を交換し合い、農業の今後のあり方について考えることができました。また、夜ご飯では、社長さんや従業員の方々が酪農の大変さ、おもしろさを話してくださいました。酪農とは新しい価値を見出すことができる業界であると思いました。
牧場でのインターンシップは大変に感じることも多かったですが、その分やりがいもあり、充実した日々を過ごすことが出来ました。わたしは酪農、牛について知識は何一つありませんでしたが、作業を通して、食を生み出す仕事の大変さ、凄さを、身を持って感じることが出来ました。広野牧場の従業員の方々は、わたしと同じように、元々酪農の知識を持っていなかった人がほとんどだと聞き、驚きました。毎日同じ作業をしているように見えて、その日の気温、牛の体調によって臨機応変に対応する従業員の方々の姿はかっこよく、生き生きして見えました。また、女性が多く活躍しているのが印象的で、わたしも農業を引っ張っていく存在になりたいと強く思いました。6次産業にも積極的に取り組まれており、広野牧場は魅力溢れる牧場だと感じました。