【2023年参加】 香川大学 法学部 T.Aさん

今回のインターンシップでは、四国財務局の個々の課が担う業務について実習を通して学ぶことができ、貴重な体験になった。財務局は国の機関として必要な役割を担いながらも、地域とも密接に関わる業務に携わっていることが事前のイメージとは異なるものであった。さらに、管轄地域特有の問題に対処するため、各地域の財務局ごとに独立して活動している部分も多くあると学んだ。
実習をさせていただいた業務のうち、特に印象に残ったのは、予算執行に関する業務である。グループワークの形式で、国の補助金を利用して行われた地方公共団体の事業が予算を適切に執行しているのかについて検討したが、職員の方がどのような点に着目しているのかを教えていただき、興味深く感じた。一見すれば予算の使い方に特に問題がないように思える事業であっても、有効性や効率性、必要性について厳しく検討していくと、必要性の低い支出がある部分や、有効性に疑問がある部分が発見されたことは驚きであった。国の予算を有効に使うためには、財務局の業務によって、厳密な調査を実施することが必要不可欠であると強く感じた。また、災害査定立会業務の体験では、災害によって道路が崩壊した現場を訪れ、どのように工事が進められてきたのか、査定立会にあたって、どのような点に注目するのかを教えていただいたことが非常に勉強になった。財務局の業務がデスクワークだけではなく、現地を実際に訪れて視察する業務も多くあることは意外に感じた。国有財産の管理・処分に関する業務の見学では、国有財産の使い道として、地方公共団体に提供して、市街地の中心部にある土地など価値の高いものは留保財産として保有しておくなど、財産を有効に活用するためのさまざまな手段が採られていることがわかった。国有財産の処分についての演習を通し、省庁の狭あいや、施設の老朽化などの問題にどのように対処をしているのか学んだ。公務員宿舎の整備に関する業務を見学した際には、宿舎の点検をし、改修する必要があるのかを話し合ったが、今ある財産を維持しながら使い続けることの意義について教えていただいた。
若手の職員の方々との座談会では、国家公務員を仕事に選んだ理由や、財務局の仕事の魅力などを教えていただき、自分自身の就活の悩みにも直結する話を聞くことができたため、非常に参考になった。さらに、職員の方々に1日の仕事のスケジュールをご紹介いただき、入庁した際にどのような生活を送ることになるのかについてイメージが湧いた。また、子育てと仕事の両立について、子育て中に活用できるフレックスタイム制等の勤務形態があることや出産・育児休暇の取得率について教えていただいた。各家庭の事情等に合わせた働き方が可能であることなど、実際にワークライフバランスの考え方がかなり浸透していることを知り、働きやすい職場であると感じた。
5日間の実習を通して、四国財務局の業務を学ぶとともに、国家公務員として働く上で求められる能力がどのようなものか具体的に知ることができ、学びの多い実習になった。特に、財務局ならではの仕事のやりがいなど、インターンシップに参加しなければ知る機会がなかったことが多くあったため、今回学ばせていただいたことを、今後就職先を決める際に参考にさせていただきたいと思う。